近年では高校サッカーの質が大きく変化してきました。10年前までは高校選手権の全国強豪校といわれた学校も、今では都道府県の代表になるのも困難な状況です。
それは時代の大きな変化(日本選書の海外志向の本格化、それに伴うメディアによる世界サッカーの情報発信、小、中世代の指導者の世代交代、褒めて伸ばす指導の推進、学校での体罰問題)により、選手(子供たち)の性質ががらりと変わってきているからだと考察します。
(1)サッカーの変化
忍耐と根性で走り勝つ!ロングボール主にヘディングの強さ、相手よりも多くは知ることを中心とした『根性論ベース』のサッカーからチームとしてどう闘うか?という近代的な戦術を用いないと勝利するのが難しくなってきました。
(2)メンタル + 戦術
昔から大切にされている高校独自の根性論ベースに、サッカーの戦術を組み合わせる。その二つのバランスが取れているチームが近年での強豪校になっているように思います。
しかし、そういった戦術的なチームサッカーが重視されすぎるのが原因で、一世代前よりも個人能力の低下、個性の均一化、平たく言えば『みんな一緒』状態が、深刻な状況でもあると思います。
高校選手権の全国大会を見ても、昔ほどスター選手がいないのもその原因であると思います。
(3)選手たちの変化
そしてもう一つ選手たちの変化です。今の子供達は常に与えられてきた世代です。時に近年では習い事がブランド化し、保護者も子供たちに習い事させることが当たり前になってきています。
サッカーも自分から選択する物ではなく親から与えられて習うもの、誰かに教えてもらうものとして育ってきました。
習い事から入ったサッカーへの道ですから、厳しい環境の中でも必死に取り組みたいという感覚がベースにないのです。できるだけ効率的に、できるだけ無駄を少なく、いかに要領よくうまくなっていくか?近代的なサッカー指導はそういった要素がほとんどです。
そういった選手達に従来からの厳しさを伴った伝統を上手く落とし込んでいくことは困難なことでしょう。しかし、そういった伝統的な厳しい部分や根性論ベースは、質の高いレベルに行けばいくほど重要になってくるのは間違いないことですし、人間的にも非常に重要な要素であると思います。
それは国内、外でプロの世界を経験してきた自分自身が強く実感していることです。僕の高校三年間はサッカーを通じてサッカー選手、そして人として大切なことを学ばせてもらった日々でした。
好きなことをする楽しみ、苦しみ、チームスポーツの素晴らしさ、助け合うこと、努力すること、結果が出る喜び、人間関係の大切さ、サッカーをする上で生きていく上で大切なこと全てです。
高校時代の積み重ねがなければ、自分自身のプロフェッショナルとしての実績はなかったことでしょう。高校三年間はサッカーを通して生きていくベースを形成し、一生涯にわたり自分に残る物を構築する大切な時なのです。
それではどうやってそれをうまく落とし込むか?
好きで楽しいから上手くなりたい、負けたくないと思い自分で試行錯誤する。いつまでもいつまでもボールで遊ぶ。そんな楽しいサッカーだからこそ辛く厳しい練習があったとしても、自分はどうやったら楽しめるか?何のためにやるのか?と、自分に向き合うことが出来るのではないでしょうか?
今の子供達には『目的を明確にさせてあげること』、『やりがいをあたえてあげること』それが大切な要素だと考えます。
そんな物は自分で見いだす物だと考えることだと思いますが、それが与えられてきた世代では出来ないということを理解しなければならないと思います。
世の中が日々変化していくにつれて、子供も変化していくのです。
僕は国内、外でプロサッカー選手としてやってきた経験、そして小中高の学校の先生として子供に接してきた経験からこういった考えにたどり着き、自分自身が育ってきた伝統ある高校の環境と、今の時代の選手達との架け橋役として、
『個人の強化』『今の時代に合わせたメンタルメイク』
のお手伝いをしたいと考えました。
【具体的にお伝えする内容】
『個人強化』