夢をもって、好きなことにチャレンジする生き方
いま、「そこ」に向かっている。
だれにも止められないような情熱が戻ってきている。
子どものときに感じた、あのサッカーに対する情熱を。
毎日朝から晩までサッカーが楽しくて、うまくなりたくて、
ボールをひたすら追いかけていたころと同じように。
サッカーをあるところまで目指した選手はたくさんいる。誰よりもうまくなりたい、プロになりたいという強い思いがあればあるほど、それが否定されたときは辛いし、叶わなかったらどうしようもなく絶望する。
だからこそ僕は、誰にも負けないよう努力してきた。でもそこに楽しみを持ってできないとさらに辛いし、何のためにやっているのかわからなくなる。
いま僕は、人は好きなことをして楽しみながらやるのが一番いいと思う。楽しいと時間を忘れて没頭し、気がついたらこんなとこまで来てしまった、というようなことになるからだ。
それに気づいたのも本田健さんのおかげだ。そして、いまそういう風にサッカーを楽しんでいるし、これからもそうなるイメージがはっきりとある。
世界のトップの選手が一週間に2回も3回も試合して、あれだけ高いパフォーマンスを怪我しないで行うのは、『楽しむ力』を使っているからだろう。
もちろんそこには苦しみや、葛藤、努力が存在した上でのことだろう。
いまはサッカーで上にのぼりつめるために、しなくちゃいけないこともあるが、まずは自分が楽しいと思うことを1番の優先順位にしている。これも大きな変化だ。
これまでは「ねばならぬ」で決めていたが、いまは食べ物もいちばん食べたいものにし、することもいちばんしたいことにし、そうやって心と感情の声をまず聞くことにしている。
それを少しずつやってみたところ、いままではありえないと思っていたことが、いともかんたんに達成できるようになった。楽して成功してはいけないという観念が、相当自分の中にあったことにも気づいた。
いま、サッカーではコミュニュニケーションの力と自分のズレを感じ、修正することでサッカーを心から楽しんでいる。自分の得意なプレーは自分でやる、苦手なプレーはコミュニケーションを取って仲間に助けてもらうようにしている。
その方がお互い得意なプレーで目立てる上に、楽で楽しいからだ。これもいままでは自分で全てやらなくてはダメだと思っていた。ディフェンスも攻撃も、パスも、ヘディングもゴールも。
もちろんすべてできたらそれが一番いい。でも30歳をまえに自分の出来ること、できないことを受け入れた。できないこともあるけれど、いいところもあるありのままのいまの自分を。
それも一度サッカーで自分の力のなさ、無力感や無価値観、絶望を味わったからだ。海外で感じた個人能力のなさ、それを感じたからこそ、何が得意で何が苦手か?どんなときに喜びを感じるかを知るきっかけになった。
そして、自分と同じ道を辿っている中学生や高校生。海外を目指す若手に触れるのを楽しいと感じる自分がいることに気づいた。
これまでとは違う在り方によって、自分がサッカー選手としてどこまでいけるか、これからまた追求していきたい。サッカーと生きることに何よりの情熱がわくからだ。
いまはプレイヤーとしてやるべきことが残っているのだろう。それをやり尽した結果、あるいはこの途中に、次に情熱が向かうことが出てくるのかもしれない。
これから僕がもっともエネルギーを注いできたサッカー選手として生きる生き方、大好きなことをして生きることをみんなに見てもらいたい。
それは、夢をもって、好きなことにチャレンジする生き方だ。
サッカーがしたくてたまらない、サッカーにしか情熱がわかない僕みたいな人、好きなことだけをしていいのか?と不安になっている人。現役が終わってからの不安や恐れ、それを感じて好きなサッカーを辞めていく多くのプレイヤーのために。
そしてサドベリーで出会った子どもや、今まで教えてきた小学校、中学校、高校の子ども達。栃木、九州で応援してくれた多くの人、そして何より多くの大人たちに。
人は、みんな迷い、つまずき、絶望する。
それでも自分がどうしたいのかを選んで進んでいく。
人生は自分で選択していくものだということを、
そして夢は叶えられると身をもって見せたい。
サッカーに人生を見る。
僕の場合は、「サッカーに人生を見る」。
フィールドで起きることは人生で起こることだからだ。人生をよりリアルに感じられるのがサッカーだ!自分自身もここからサッカーを通して、さまざまな人間関係を通してステージを上げて、成長していきたいと思う。
こんな偉そうなことを書いているがまだまだ自分が何者かわかっていないし、自分のダメさ加減もホント感じている。まだまだ感情から遠く、他人を気にして、自分をさらけ出すのも怖い。あげたらきりがない。
でもこれから先の人生でゆっくりと成長していければいいと思う。楽しみながら。
僕は自分の人生に1つ確固たる物を見つけることが出来ればその人は人生を豊かに楽しみながら生きて行けると思う。自分の場合はそれがサッカー。
みんなに、そんな僕のサッカーと生きる生き方を応援してもらいたい、新しいチャレンジをあたたかく見守ってほしい。
そしてみんなのことも応援したい。